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 学 会 発 表

消第44回 日本癌治療学会総会(2006年10月 東京) 口演24 膵臓 薬物療法(1) OS24-7 進行癌化学療法における有害事象軽減対策と生存期間延長のための戦略 山光進1)木村弘通1)乾典明1)檜山繁美1)山田能之1)小井戸―光2)

医療法人社団光進会札幌月寒病院1)札幌医科大学放射線科2)

化学療法中止の原因となる有害事象の主たるものは悪心嘔吐、下痢、口内炎(非血液毒性)と骨髄抑制であるが、前者は薬剤の進歩で改善されてきており、最近は骨髄拠制が問題となっている。われわれはbiochemical modulationの理論と正常細胞と腫瘍細胞の細胞周期の違いを利用したintermittent療法を用いて有害事象を軽減させ進行癌を治療して延命効果を得ている。現在、進行膵癌の治療は困難を極めている。2004年に報告された手術を含む集学的治療の結果ではStage4aとStage4bの1生率は約56%と27%、2生率は約27%と13%であった。 われわれの5FU(TS-1)、CDDP、TXLを用いたintermittent療法ではStage4a4例と4b6例の結果で奏効率50%、1生率72.9%、2生率21.8%であった。非血液毒性は全てgrade2以下で、血液毒性は10例中8例にgrade3以上を認めたが血小板減少はgrade3以上2例で、血液毒性のほとんどを占めるWBC減少とHb減少は対応に困難なく長期間の繰り返しての治療が可能で、このことがStage4膵癌の1生率を向上させたと考えられる。以上の詳細について発表する。 シンポジウム10膵癌 ・胆道癌の治療成績は何故向上しないのか?-原因と対策

S10-5 Stage4膵癌と早期胃癌の化学療法で明るかになった
膵癌化学療法の限界と長期生存のための戦略
山光進1)木村弘通1)乾典明1)檜山繁美1)山田能之1)小井戸―光2) 白坂哲彦3) 医療法人社団光進会札幌月寒病院1)札幌医科大学放射線科2) 北里大学北里生命科学研究所3)

早期胃癌は手術が第―選択であるが、身体状況やその他の事情により手術にならない時がある。その様な10症例の化学療法の結果は、PR2例、病理学的CR8例でPRの2例は後日手術が行なわれた。CR8例のうち4例が他病死(胃癌再発なし)で、他の4例は今年の6月で全例が無再発で5年を越える。―方、進行膵癌の治療は現在困難を極めている。2004年に報告された集学的治療の結果ではStage4aとStage4bの1生率は約56%と27%、2生率は約27%と13%であった。われわれは2002年3月以降、5FU(TS-1),CDDP,TXLを組み合わせたregimenを用いてStage4膵癌の治療を行い生存期間の延長を得ている。Stage4a4例とStage4b6例の計10例に対する成績では、奏効率50%、1生率72.9%、2生率21・8%であった。この結果の検討すべき課題は1生率に比して2生率の低さであり、骨髄抑制による化学療法の継続困難に原因している。このregimenに放射線療法を併用するとStage4膵癌20例において、1生率86%、2生率64%を得ている。以上のことから膵癌の化学療法単独の限界とその原因、および生存期間延長のための戦略について述べる。

第43回 日本癌治療学会総会(2005年10月 名古屋) 口演70(OS70-6) 進行膵癌化学療法の基本戦略と新しいregimen

山光 進1)木村弘通1)乾 典明1)山田能之2) 平田公一2) 白坂哲彦3) 小井戸一光4)

1)医療法人社団光進会札幌月寒病院2)札幌医科大学第一外科
3)北里大学北里生命科学研究所4) 札幌医科大学放射線科

通常量の多種の抗癌剤を併用し短時間で投与すると癌の縮小には効果があるが、有害事象も強く治療継続が出来ず生存期間の延長に寄与し難い。有害事象が少なく、繰り返しが出来る効果的方法を用いて癌を縮小させ、生存期間を延ばして身体状況を改善し局所療法併用の可能性を考慮する必要がある。我われはStageIV膵癌11例(StageIVb8例)にintemittentFP療法(5-FU600mg/m2civ,day1,3,5,CDDP7mg/m2div;day1,5)を毎週繰り返し行い、奏功率27.3%、1年生存率54.5%、2年生存率27.3%、MST379日を得ている。現在、我われはこれにタキソールを加えたintermittentFP・week1yTXL療法(5-FU同、CDDP同、TXL60mg/m2div;day1,3週投薬1週休薬)をこれまで8例に行い、PR4例、MR2例、NC2例で、有害事象のgrade4は認めず、生存期間は死亡例で520日、631日、360日で、生存例は治療継続中である。また小井戸はこれに放射線治療を加えた方法を用い、StageIV膵癌20例で1年生存率86.3%、2年生存率64%を得ている。以上について発表する。

第42回 日本癌治療学会総会(2004年10月 京都) シンポジウム5 患者にやさしい癌化学療法
進行・再発消化器癌に対する治療の理念と実際 「進行・再発消化器癌に対する
5FU隔日(月・水・金)・low dose P療法の有効性について」 山光 進1)木村弘通1)乾 典明1)山田能之2) 白坂哲彦3)平田公一2) 1)医療法人社団光進会札幌月寒病院外科2)札幌医科大学 第一外科
3)藤井節郎記念大阪基礎医学研究奨励金

Biochemical modulationを利用したlow doseFP療法は、奏功率が高く致死的副作用が少ないことから本邦で広く用いられるようになった。
しかし骨髄抑制の有害事象から長期間の継続治療が困難であり、薬剤の減量や休薬が必要となり延命効果を明らかとするには至らなかった。
正常細胞と癌細胞の世代時間の差を考慮したintermittentF・low doseP療法(intermittentFP療法)は骨髄抑制、とくに血小板減少が著明に少なく、そのことにより長期間の継続治療(連続施行期間がlow doseFP療法の2倍)が可能となり、奏功率も50%を超え、StageIV大腸癌37症例の50%生存期間489日、StageIVb膵癌11症例の50%生存期間379日と延命効果を得ることが出来るようになった。
消化器系の有害事象はgrade2以下でgrade3以上は認められなかった。
以上の詳細を報告すると共に、2002年1月から始めた奏功率80%を超える反復可能な新しい化学療法intermittentFP・weeklyTXL療法についても報告する。