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札幌月寒病院の癌治療

医療法人社団光進会 札幌月寒病院 院長  山光 進

はじめに

一個の細胞が悪性化して約2cmの癌となるまでに、15年~20年かかると計算されています。癌という病気を診断し治療する時には、急性的病気としてではなく慢性的病気として考えることが大切です。ただし癌の中には、症状発現から急速に致死的経過をとる癌(膵癌、胆道癌など)があることも知らなければなりません。

現在でも癌の治療には早期発見、早期治療(早期手術)が最も大切です。しかし医学の進歩により、近年では中期を越えて進行した癌でも集学的治療により治癒、あるいはコントロールすることが出来るようになりました。ただし治癒コントロールできない、今はできない癌もあります。今日、年間30万人を超す人が癌で亡くなりますが、発病した癌の50%以上が最初の癌治療で治ります。>不幸にも発見の遅れた進行癌や再発癌症例でも、薬物治療、放射線治療、IVR、そして手術などの組み合わせにより、治癒したり癌のコントロールをして、良質の日常生活を送ることができるようになりました。しかし進行癌においては、病気の進行状況とその病気を持つ人の人生の目的と希望そして生活、治療の可能性と苦痛とを相談して長期的展望で取り組まねばなりません。病気の治療法は年々進歩しています。癌の治療も過去10年間で著しく進歩しています。1年間生存できれば次の扉が開く可能性があります。人間は最後は死に至る生き物ですが、生きている日々を充実させるために、そして誰かのために、病気に負けずに毎日を過ごしたいものです。 

癌の治療方法

1)手術

2)放射線治療

3)IVR(ラジオ波焼灼、アルコール注入、血管塞栓など)

4)薬物治療(化学療法)

5)免疫療法

6)遺伝子治療

手術、放射線治療、IVRは局所治療です。

遺伝子治療も今のところ局所治療です。

薬物治療(化学療法)、免疫療法は全身治療です。

これらの治療を組み合わせて行うことを集学的治療といいます。

癌化学療法

癌の化学療法は開始当初から癌の消失を目的として行われました。

最初の抗癌剤はナイトロジェン・マスタードという毒ガスでした。

今日でも抗癌剤は生体にとっては毒物であり、癌細胞のみでなく正常細胞(特に細胞周期の短い骨髄細胞や消化管粘膜細胞など)をも傷つけ副作用を起こしますし、過剰に投与すると死亡する危険があります。

多種で多量の抗癌剤を短時間に投与すると、癌の縮小には効果がありますが、副作用も強くて治療を続けることができず生存期間を延ばすことができません。

進行癌の持つ一千億個から一兆個の癌細胞を、1ヶ月や2ヶ月の間に化学療法のみでゼロにすることは現在では不可能です。

副作用が少なく繰り返しができる効果のある化学療法を用いて、時間をかけて治療することでゆっくりと癌を縮小させ、身体状況を改善して生存期間を延ばし、局所治療の可能性を考慮します。

こうした考えに立って治療していたところ、すなわち繰り返しのできる効果の高い治療を時間をかけて続けていたら、奏功率が上がったばかりでなく「癌の消失」に出会いました 。

当然ながら早期の癌は消失しやすいこともわかりました。

我われはこれを「患者にやさしい癌化学療法」とよんでいます。

患者にやさしい癌化学療法

1)札幌月寒病院報告その4

月刊雑誌 「癌と化学療法」第34巻 第10号 2007年10月掲載

早期胃癌治療の二次選択肢としての化学療法 (pdfデータ 631KB)

2)札幌月寒病院報告その3

月刊雑誌 「癌と化学療法」第34巻 第9号 2007年9月掲載

進行胃癌(腹膜播種、癌性腹膜炎)に対する化学療法 (pdfデータ 692KB)  

3)札幌月寒病院報告その2

月刊雑誌 「癌と化学療法」第34巻 第8号 2007年8月掲載

進行大腸癌に対する化学療法 (pdfデータ 721KB)  

4)札幌月寒病院報告その1

月刊雑誌 「癌と化学療法」第34巻 第7号 2007年7月掲載

進行膵癌に対する化学療法と化学放射線療法 (pdfデータ 741KB)  

上記報告書は、PDF化されております。

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